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織田信長 甲斐御乱入の事 仁科五郎の頸長良川へ

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信長公御乱入の事

『信長(しんちょう)公記』桑田忠親氏著 人物往来社 一部加筆
 
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 三月五日、信長公隣国の御人数を召し列れられ、御動座。其の日は江州のの内、柏原が上菩提院に御泊り。
翌日、仁科五郎が頸もたせ参り供を、ろくの渡りにて御覧じ、岐阜へ持たされ、長良の河原に懸けおかれ、上下の見物仕り候。
 七日雨降り、岐阜に御逗留。
 三月七日、三位中将信忠卿、上の諏訪より甲府に至りて御入国、一条蔵人私宅に御陣を居えさせられ、武田四郎勝頼一門、親類、家老の者尋ね捜して悉く御成敗、生害の衆、一条右衛門大輔、清野美作守、朝比奈摂津守、諏訪越中守、武田上総介、今福筑前守、小山田出羽守、正用(逍遥)軒、山懸三郎兵衛子、隆(竜)宝、是れは御政道事なり。此等皆、御成敗候なり。
 織田源三郎、団平八、森勝蔵、足軽衆に仰せつけられ、上野国衆へ差し通はされ候ところ、小幡、人質進上申し、別条これなし。駿・甲・信・上野四ケ国の諸侍、有縁をもつて、帰りの御礼、門前市をなすなり。
 三月八日、信長公、岐阜より犬山まで御成り。九日金山御泊り。十旦高野(こうの)御陣取り。十一日岩村に至りて、信長御着陣。


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