宗良親王
引 池上月
○ さす棹のしつくもしつく波の上に 月をのせたる庭の池水
○ うきしまか原をとをりて車かへしといひし所より
甲斐国に入りて信濃へと心さし侍しにさなから富士の麓を
行めくり侍しかは山の姿いつかたよりもおなしやうに見えて
誠にたくひなしすそのゝ秋のけしきまめやかに心こと葉もをよひかたくおほえ侍て
北になし南になしてけふいくかふしの麓をめくりきぬらん行きめぐらん
○ 甲斐国しらすといふ所の松原のかけにしはしやすらひて
假初の行かひちとは聞しかと いさやしらすのまつ人もなし
○ 信濃国に行つきぬれはをくりのもの返し侍し次に
するかなる人のもとへ申しつかはし侍し
?文中四年(1372)
富士のねの烟を見ても君とへよ 浅間のたけはいかゝもゆると
『李花集』下雑秋類集群従。巻第二百三十一
宗良-応長元年(1311)~元中六年(1389)以前没?。
引 池上月
○ さす棹のしつくもしつく波の上に 月をのせたる庭の池水
○ うきしまか原をとをりて車かへしといひし所より
甲斐国に入りて信濃へと心さし侍しにさなから富士の麓を
行めくり侍しかは山の姿いつかたよりもおなしやうに見えて
誠にたくひなしすそのゝ秋のけしきまめやかに心こと葉もをよひかたくおほえ侍て
北になし南になしてけふいくかふしの麓をめくりきぬらん行きめぐらん
○ 甲斐国しらすといふ所の松原のかけにしはしやすらひて
假初の行かひちとは聞しかと いさやしらすのまつ人もなし
○ 信濃国に行つきぬれはをくりのもの返し侍し次に
するかなる人のもとへ申しつかはし侍し
?文中四年(1372)
富士のねの烟を見ても君とへよ 浅間のたけはいかゝもゆると
『李花集』下雑秋類集群従。巻第二百三十一
宗良-応長元年(1311)~元中六年(1389)以前没?。