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Channel: 北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
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素堂 元禄 5年(1692)51才  腹中の反古見はけん年の暮れ     素堂

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素堂 元禄 5年(1692)51才

素堂、 『深川集』発句一入集。酒堂編。(刊行は翌六年)
  壬申九月に江戸へくだり芭蕉庵に越年して、
  ことしきさらぎのはじめ洛にのぼりて、ふろしきをとく。
   深川夜遊

青くても有べきものを唐辛子      芭蕉
   堤ておもたき秋の新ヲ鍬       酒堂
  暮の月槻のこつぱかたよせて      嵐蘭
   坊主がしらの先にたゝるゝ      岱水 (以下略)
 

素堂―忘年書懐、素堂亭    
    節季候
   節季候を雀の笑ふ出立かな      芭蕉
    餅春
   餅つきやあがりかねたる鶏の泊屋   嵐蘭
    歳昏
   腹中の反古見はけん年の暮れ     素堂    

三物 余興
   年忘れ盃の桃の花書かん       酒堂
   膝に載せたる琵琶の木枯し      素堂
   宵の月よく寝る客に宿貸して     芭蕉

 酒堂、寛文中期生、~元文二年(1737)歿。年七十才前後か。近江国膳所の医者。はじめ尚白に従い、元禄二年(1689)に来遊した芭  蕉に入門して指導を受ける。その後蕉門から遠ざかる。
 岱水、生没年不詳。貞享~宝永(1684~1711)頃。芭蕉庵近隣に住む。
『深川集』 刊行は元禄六年、記事は五年九月~六年二月の深川芭蕉庵に滞在中の風交記念集。


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