Quantcast
Channel: 北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3088

昔のおやつ

$
0
0
昔のおやつ
郷土の料理に関しての資料紹介
(「ひじろ端から」長野県富士見町商工会婦人部編集 著者名省略)

 ケーキやパン、スナック類のなかった昔は何でも自分達のまわりで取れる果実や、木の実が、結構よいおやつになった。小麦粉でうす焼きや簡単なパンも作るようになったが、米の粉でおだんごや、時期にはかしわ餅や、おやきを作ってくれた。
○つくしんぼう
 お味噌をつけて食べる。
○バラいちご
 赤いバラいちご、ミカン色のバラいちごを、父が草刈りの帰りに、フキの葉にくるんで、取ってきてくれました。
○づみ(ぐみ)
 裏庭のづみの木に登り、真赤にうむのを待ちきれず、少し赤味がかったのを食べて、口の中がしぶで白くなったっけ。
○桑ずみ
 黒いはど濃い紫色にうれた実が美味しくて夢中で取って食べた。口の中から口のまわりまで紫色に染まって、「桑ずみ食べたな」とすぐに分かってしまったっけ。
○にわうめ (ゆすらうめ)
 枝にズズなりに小さな実がつく。赤くなって食べると、甘くて美味しく、よく 熟れたのをお酒に入れ、赤い色がきれいに出ると、白くなった実を出し、そのお 酒をお正月お客様に出していたのが思い出される。今のワインのかわりだったのだろうか。
○ざくろやいちじノト
 蔦木方面は町内でも一番暖かい所なので、ざくろやいちじくが育った。
○あけび
 熟れたのは、皮が割れ、中の実が水色にやわらかくなっていた。とっても甘いけれど黒い実をかむとにがい。
○山ぶどう、ごむし
 生で食べたり、お洒につけてぶどう酒などを作った。
○あまんどう
 種なしあまんどう、良く熟れた実を干して食べる。まるで干しぶどうのよう。
 あまんどうは、柿しぶを取る木で、つぎ木をするには、この木に柿をつぐと良いといわれた。
○つるしんばう、
甘柿は少しはあったが、この辺は殆んど渋柿だった。柿の木はくじけやすくあぶないと言われたが、子供達はよく登って柿を取った。どの家でも沢山むいて、軒先に柿が吊してあり、乾くとワラの中にねかせて白い粉がふくようにした。
○じゅくし柿
 渋柿をもろぶたにのせて、しばらく置くと、栗らかく甘くなって来る。おこうせんをつけて食べた。木になっているうちに、赤く栗らかに熟れた柿はまた一段と美味しかった。カラス等も味を知っているのか、美味しそうな柿をよくつついていた。湯上りのほてった体に、つめたいじゅくしは格別おいしかった。
○うすやき
 小麦粉をとき野菜やお味噌を入れ、重曹(卵が入れば上等)も入れて、ほうろうでうすやきを焼いた。これはすぐできるので子供達だけでも作って食べた。
○パン
 さつま芋が取れると、サイの目に切って入れて、蒸しパンを作った。重曹を入れすぎて、さつま芋の有るところが、青くなったりもした。
 ドーナツ型のアルミ製のパン焼器に蓋をして焼いた。このパンはまわりにこげ目が付き、とてもおいしく、日持ちのするパンだった。
○もろこしのお菓子、ドカーン
 今私達が食ペているのは、もちモロコシですが、昔はうまモロコシを沢山作り、お蔵の前などに吊して、乾かし保存して置きました。
 そのモロコシをもいで、お菓子にしてもらいます。ドカーン屋さんが機械を持ってあちこち回って来ます。この時は、近所中の子供や大人が、もろこし、お米、豆などを持って集まってきました。頓にならんで、自分の番がくるのを待っていました。原料を機械の中に入れて、熱を加えて圧力で膨脹させドカーンと言う音とと もに、外のアミの盛閥の中に、はぜたもろこしがとび出してきます。じつと順番を 待ち乍ら、またはぜたもろこしを食べ乍ら、半日もおじさんの仕♯早をのんびりと眺めていたものです。お米は甘く、ピンク色にしてくれるのですごく美味しかった。今でもなつかしく想い出される味です。
○かち粟
 秋になると野生の粟の実が熟す頃、早起きして粟拾いに行きました。前の日強風が吹けば、朝行くと沢山落ちていて、いっぱい拾えました。それを家で蒸して、下屋根にハシゴをかけて登り、栗を干しました0どの家でも沢山拾って干し、しまっておきました。冬炬燵にあたり乍ら、むいて食べ、あんなに硬い粟なのに、かんでいると甘くて、当時としては大変美味しいおやつでした。
○ボンセンペイ
 戦後だったと思うけれど、ボンセンペイが有りました。これもドツカンと同じように、手車に機械と燃料をのせてやって釆ます。各自で材料を持って集まって行くとやき始めます。
 革のハンドルのような輪のついた機械で、直径十センチくらい、厚さ一センチくらいの型の中に、お米やもろこし、大豆を少し入れて火にかけ、ハンドルをまわしてギュッと締めつけ、手加減し乍ら一気にハンドルをゆるめると、ボンとよい音をたてて「ボンせんべい」一枚出来上がりです。何回もくりかえして焼いているようすが楽しくて、見たり手まねしたりして遊びながら、自分の番を待っていました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3088

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>