酢を飲むと体が柔らかくなるって本当?
佐伯誠一氏著『不思議いっぱい科学の本』おもしろ科学なるほど200話より
昔、サーカスの芸人は、毎日酢を飲んでからだを柔らかくしている、といわれていた。魚のから揚げを酢につけると、柔らかくなって骨ごと食べられる。こんなところから、酢を飲むとからだが柔らかくなるという迷信が生まれたのだろう。
確かに、酢はカルシウムを溶かす。しかし、骨を柔らかくするには、少しぐらい酢を飲んでも間に合わない。それに酢を多量に飲んで、もし骨が柔らかくなったとしたら、骨はぐにゃぐにゃに曲がって大変なことになってしまう。
からだを柔らかくするには、酢を飲むより、筋肉や関節などを鍛えること。やはり、トレーニングしかない。サーカスでも酢を飲んでからだを柔らかくするのでなく、訓練によってからだを柔らかくし、難しい演技をしているのである。
それよりも酢の効果は、体内でブドウ糖の燃焼をうながして、ともに燃焼し、わずかながらカロリー源になることである。