相撲取りはなぜ太る?
佐伯誠一氏著『不思議いっぱい科学の本』おもしろ科学なるほど200話より
その原因は食事のとり方にある。力士は一日二食だ。朝起きると何も食べないで、二時間ぐらい激しい稽古をする。そのあと風呂に入って汗を流し、胃がからっぽになったところで、肉・魚・野菜などが入ったチャンコ鍋をもりもり食べる。その量は普通人の五~六倍。食事のあと昼寝が義務づけられている。夕食にはカレーライスとか焼き飯のようなものをドカンと食べて、酒も飲む。太る要素が揃っているわけだ。
少しずつ何度も食べると、からだはいつでも栄養がとれると安心しているが、すきっ腹にドカッと食べると、つぎはいつ栄養がとれるかわからないので、栄養を脂肪に変えて溜めておこうとする。
同じ一日二食でも、朝飯を食べて昼を抜くのだったら太らない。朝飯抜きでからだを動かすと太るホルモンが出る。とくに最近の相撲は、昔と違って技や力で勝負するのでなく、体重で圧倒する傾向にあるから、我も我もと太るよう
になった。