茗荷(みょうが)を食べるとなぜ物忘れする
佐伯誠一氏著『不思議いっぱい科学の本』おもしろ科学なるほど200話より
昔、お釈迦さまの弟子に、槃特(ばんとく)という人物がいた。この人はひどく物おぼえが悪くて、自分の名前まで忘れるほどだったので、名札をいつも首にかけていた。
この人が死んだので葬ったところ、その墓から草が生えてきた。これがミョウガである。槃特が首に名札をかけていたことから「茗荷」と呼ぶようになったという。
そして、茗荷とこのミョウガを結びつけて、これを食べると物忘れをするという言い伝えができたのだそうだ。
食用にするのは、ミョウガの花の筍と呼ばれる部分で、辛味と香りがあるので、汁の実や酢の物、刺し身のつまなどに広く使われている。
むろん、ミョウガを食べると物忘れをするというのは、科学的にはなんの根拠もないことである。