烏合の衆
『人を動かす 名言・逸話 大集成』監修鈴木健二氏・篠沢秀夫氏
この言葉の出典は中国の『文選(もんせん)』(芸・晋紀総論)であり、その本来の意味は、烏の集団のように、各個がガアガアと勝手に騒ぎまわるだけで、全〈統制のとれていない弱い軍隊のことをいう。
現在では、軍隊をさすことより、一般の集団の様相をいうことのほうが多い。
何か事を始めようというとき、いくらたくさんの人間を集めたからといって、それで大きなパワーが出るものではない。
組織として統制のとれた行動ができなければ、大きな目標に到達することができないのは自明の理であろう。
したがって、一つの組織をつくろうとする場合、その組織の構成要員を集める前に、集団を組織化し、個の力を結集させる方法を考えるべきである。
そしてもし、その能力を自分に発見できなければ、他にリーダーとなる人材を求めるべきであろう。
組織を組織として機能させるためには、個々に力のある者を集めるより、ひとりのリーダーを求めることの方が大事である。そうでないと、その組織は〝烏合の衆〟としての役割しか果たさないはずだ。