$ 0 0 武田信玄、廁(かわや トイレ)で政務内閲 信玄公は御用心の御ためやらん、御閉所を京間六帖敷になされ、畳を敷き、御風呂屋、縁の下より、問いかけ、御風呂屋の下水にて不浄を流す様に遊ばし、香炉を置き、則ち香箱に沈香を割り入れ、当番の奥衆二人づゝ、朝と昼と晩と定めて、今の香炉に火を取り沈をくべたき申候。其の上今一人の人、御意を得状箱の蓋に、いづれの国郡と書き付けを見て、御意次第に持ちて御閑処に置き候を、御覧じ分けらるゝ事、閑所において、実否を御分別ㇾ成るなり。(甲陽軍鑑)