素堂甲申 1704 63才
『千句塚集』発句一入集。除風編。許六序。文章一編
吉備の中山の住除風子、ばせをの翁の風雅をしたひ、さざなみやあは津の原は遠き堺なれはとて、細谷川ちかきわたりに五十余里の地を縮て、あらたに塚を築て翁の句を礎となし、其里人千句のたくみを費しつくりたてて千句塚と申はべるとかや、そのまゝ埋ミはてなんも本意なしと、あづさにちりばめ、予をして一句をたむけよとすゝめられしに、吟魂は死してほろひさることを申をくりぬ。
しぼみても命長しや菊の底 素堂
『千句塚集』…南瓜言卒)庵に芭蕉塚を築いた折の記念集。
除風…生年不詳~延享三年(1746)歿。年(十才前後。備中国倉敷の真言僧。素堂…『渡鳥集』発句二入集。卯七、去来編。
ちからなく菊につゝまるばせをかな