▽▼素堂と芭蕉 「芭蕉画素堂賛」(前文略)
今一つは芭蕉が守武の像を畫き(「鳳尾」の印があるのみで署名はない)、
素堂がそれに、
荒木田千町吟 滑稽風冠古今
後學為拾落葉 成稻雀入俳林
葛飾隠士素堂賛
印 印
の如く奇抜な讃を書いてゐるもので(神宮文庫蔵)芭蕉と素堂の合作である事が頗る珍とすべき所であるが、畫・讃共に果たして眞筆であるか、私にはどちらとも云へないものであった。伴しいづれにしても、素堂の讃は頗る面白くこれはこれとして珍とするに足るものであらう。
(『芭蕉前後』「守武と宗鑑」志田義秀氏著。昭和二十二年刊)