日本一 大食い記録
『歴史と旅』「特集日本史の謎50選」昭和53年6月号
文化文政頃(一八〇〇年代)大飲・大食会というのが流行した。
その一例として、文化十四年(一八一七)三月二十三日、両国柳橋万屋八郎兵衛(万八)方で開催されたときの大食い記銀の一部をあげてみる。
◆神田の丸屋勘右衛門(五十八歳)饅頭五十ケ、羊羹(ヨウカン)七樟、薄皮餅三十ケ、茶十九杯。
◆八丁堀の伊予屋清兵衛(六十五歳)饅頭三十ケ、うぐいす餅、八十ケ、松風せんべい三十ケ、タクアン五本。◆麹屋の佐野彦四郎(二十八歳)米饅頭五十ケ、鹿の子餅百ケ、茶五杯。
◆浅草の和泉屋吉蔵(七十三歳)飯五十四杯、唐がらし五束。
◆三河嶋の三石衛門(四十一歳)飯六十八杯、醤油二合。
◆新吉原の桐屋惣左衛門(四十二歳)そば五十八杯。
以上、食べた物の種類や年齢のちがいなどあって、だれが大食いナンバーワンと言いえるかは、にわかに決め難い。(視聴草)