●武田軍法
永禄十二年、武田軍法
1、乗馬・歩兵ともに甲を着けること。見苦しい甲でもよいから早く用意せよ。
2、槍は三間柄の槍を用いること。槍の様式は一統の衆(回し部隊)は同じように作ること。
3、長柄十本の衆は、そのうち三本は持槍、七本は長柄とせよ。長柄九本、八本、七本の衆は、二本は持槍、そのほかは長柄
とせよ。長柄六本以下二本までの衆は、一本は持槍、そのほかは長柄、また一本の衆はすべて長柄とする。
弓・鉄砲は大切だから、長柄・持槍は略しても(弓、鉄砲を)持参すべきである。くわしくは口頭で示す。
4、鉄砲については、しかるべき放手(射手)を召し連れること。
5、乗馬の者は、貴賎ともに甲・咽輸・手蓋・両頬当・歴楯・差物を用意せよ。このうち一物も除いてはならぬ。歩兵も手蓋
・咽輸など相当に申し付けよ。
6、歩兵も差物を着けること。
7、魚行役の被官のうち、物持ちとか武勇の人を除いて、百姓・職人・神主・幼弱の者などをつれて参陣するのは、もってのほかである。
8、定納二万疋(二百貫)を領しているものは、乗馬のほか、引馬二匹を必ず用意すること。
<資料>
*武田勝頼は天正三、四年のころ(長篠敗戦の直後)「新軍法」を部下の将士に与えている。
*天正四年九月六日、勝頼、牧之島城(信濃更級郡)の守将馬場民部少輔同心衆宛て軍法
1、定法のように、陣屋を出発する時から武具を着けること。
2、今後、新軍法として、敵陣近くに陣を取る時は、軍勢の半分ずつ武具をつけ、備えを厳重に申し付けること。
3、今後、陣中での振舞はいっさい禁止する。よけいな道具・家具を持ってきてはいけない。
4、陣屋まわりの柵の木、夜番、かがり火などを厳重に申し付けよ。
5、小旗一本の旗持ちには、ホラ貝一つずつ持参させ、番ホラ・暁のホラを吹かせよ。合い言葉をよく聞き覚え、徹底させよ。
6、陣所の前後左右で用便をしてはいけない。
7、陣中で火事があったり、敵の夜襲があったりしても、いっさい取りあわず、自分の陣地を堅く守り、旗本の指揮を受けよ。
8、勝手に陣払いをしてはいけない。陣払いの時は、自分の陣に数人を残しておき、大将の陣払いを見届け、いっせいに火を
つけよ。
9、陣寄せ(攻撃)のとき、小荷駄(輸送隊)や武具荷物が、攻撃軍にまじっていてはいけない。小荷駄奉行をきめて管理させよ。
10、ケンカ・口論のさい、たとえ親類・縁者・親友でも、加勢をしてはいけない。
11、先の法度のように、貴賎ともに合い験(しるし)を付けよ。
12、軍事行動のさい、夕方になり、人数を納める時、小者などを勝手に陣屋にかえしてはいけない。
<参考資料>
勝頼は天正3年12月16日付で、信濃小県郡の小泉総三郎に下した条目
・ちかごろ諸軍の弓うつぼ(矢をいれて背負う道具)があまり見苦しいから、今後は実用にかなうのはもちろん、人に見ら
れてもあまり見苦しくないのを持ってくること。
・小旗・指物を新調すること、乗馬歩兵とも、指物(背中につける旗)をつけさせ、戦場で剛臆がはっきりわかるようにせよ。
・いまは鉄砲が重要だから、槍を省略しても鉄砲を持ってこい。鉄砲の玉薬をたくさん用意した者は忠節と認める。
永禄十二年、武田軍法
1、乗馬・歩兵ともに甲を着けること。見苦しい甲でもよいから早く用意せよ。
2、槍は三間柄の槍を用いること。槍の様式は一統の衆(回し部隊)は同じように作ること。
3、長柄十本の衆は、そのうち三本は持槍、七本は長柄とせよ。長柄九本、八本、七本の衆は、二本は持槍、そのほかは長柄
とせよ。長柄六本以下二本までの衆は、一本は持槍、そのほかは長柄、また一本の衆はすべて長柄とする。
弓・鉄砲は大切だから、長柄・持槍は略しても(弓、鉄砲を)持参すべきである。くわしくは口頭で示す。
4、鉄砲については、しかるべき放手(射手)を召し連れること。
5、乗馬の者は、貴賎ともに甲・咽輸・手蓋・両頬当・歴楯・差物を用意せよ。このうち一物も除いてはならぬ。歩兵も手蓋
・咽輸など相当に申し付けよ。
6、歩兵も差物を着けること。
7、魚行役の被官のうち、物持ちとか武勇の人を除いて、百姓・職人・神主・幼弱の者などをつれて参陣するのは、もってのほかである。
8、定納二万疋(二百貫)を領しているものは、乗馬のほか、引馬二匹を必ず用意すること。
<資料>
*武田勝頼は天正三、四年のころ(長篠敗戦の直後)「新軍法」を部下の将士に与えている。
*天正四年九月六日、勝頼、牧之島城(信濃更級郡)の守将馬場民部少輔同心衆宛て軍法
1、定法のように、陣屋を出発する時から武具を着けること。
2、今後、新軍法として、敵陣近くに陣を取る時は、軍勢の半分ずつ武具をつけ、備えを厳重に申し付けること。
3、今後、陣中での振舞はいっさい禁止する。よけいな道具・家具を持ってきてはいけない。
4、陣屋まわりの柵の木、夜番、かがり火などを厳重に申し付けよ。
5、小旗一本の旗持ちには、ホラ貝一つずつ持参させ、番ホラ・暁のホラを吹かせよ。合い言葉をよく聞き覚え、徹底させよ。
6、陣所の前後左右で用便をしてはいけない。
7、陣中で火事があったり、敵の夜襲があったりしても、いっさい取りあわず、自分の陣地を堅く守り、旗本の指揮を受けよ。
8、勝手に陣払いをしてはいけない。陣払いの時は、自分の陣に数人を残しておき、大将の陣払いを見届け、いっせいに火を
つけよ。
9、陣寄せ(攻撃)のとき、小荷駄(輸送隊)や武具荷物が、攻撃軍にまじっていてはいけない。小荷駄奉行をきめて管理させよ。
10、ケンカ・口論のさい、たとえ親類・縁者・親友でも、加勢をしてはいけない。
11、先の法度のように、貴賎ともに合い験(しるし)を付けよ。
12、軍事行動のさい、夕方になり、人数を納める時、小者などを勝手に陣屋にかえしてはいけない。
<参考資料>
勝頼は天正3年12月16日付で、信濃小県郡の小泉総三郎に下した条目
・ちかごろ諸軍の弓うつぼ(矢をいれて背負う道具)があまり見苦しいから、今後は実用にかなうのはもちろん、人に見ら
れてもあまり見苦しくないのを持ってくること。
・小旗・指物を新調すること、乗馬歩兵とも、指物(背中につける旗)をつけさせ、戦場で剛臆がはっきりわかるようにせよ。
・いまは鉄砲が重要だから、槍を省略しても鉄砲を持ってこい。鉄砲の玉薬をたくさん用意した者は忠節と認める。