古き謎 嬉遊笑覧(喜多村信節)
永禄十二年甲州より小田原を責る條に内藤修理といふ者手から有ければ馬場美濃守より便を遣はし謎をかくるといとけの具足敵をきる内藤即小太刀とゝく美濃聞て本手よりは増なりとほむる是は美濃も修理も日来なそずきにてかくのことし。又味増峠の條内藤方より馬場方へ謎をかくるまつよひに更行かの聲きけはあかぬ罰の鳥は物かは美濃守則くるま車はなれうしとゝくとありはげしきとありはげしき戦いの中に好むことこそおかしけれ。
永禄十二年甲州より小田原を責る條に内藤修理といふ者手から有ければ馬場美濃守より便を遣はし謎をかくるといとけの具足敵をきる内藤即小太刀とゝく美濃聞て本手よりは増なりとほむる是は美濃も修理も日来なそずきにてかくのことし。又味増峠の條内藤方より馬場方へ謎をかくるまつよひに更行かの聲きけはあかぬ罰の鳥は物かは美濃守則くるま車はなれうしとゝくとありはげしきとありはげしき戦いの中に好むことこそおかしけれ。