かつしかの素堂翁は、やまともろこしうたを常にし、こと更俳の狂句の達人なり。おしひかな、享保初のとし八月中の五日、終に古人の跡を追いぬ、予もまた志を通ること年久し。しかあれど猶子雁山、をのをの追悼の言葉を桜にお集んとて予に一序を乞。おもふに彼翁、周茂叔が流に習ふて、一生池に芙蓉を友とせしは、此きはの便りにもやと、筆を染るものならし。
遊園軒
月清く蓮の実飛で西の空 露沾
かつしかの素堂翁は、やまともろこしうたを常にし、こと更俳の狂句の達人なり。おしひかな、享保初のとし八月中の五日、終に古人の跡を追いぬ、予もまた志を通ること年久し。しかあれど猶子雁山、をのをの追悼の言葉を桜にお集んとて予に一序を乞。おもふに彼翁、周茂叔が流に習ふて、一生池に芙蓉を友とせしは、此きはの便りにもやと、筆を染るものならし。
遊園軒
月清く蓮の実飛で西の空 露沾