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芭蕉書簡、素堂関連記事

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芭蕉書簡、素堂関連記事
『芭蕉年譜大成』今栄蔵氏著 一部加筆
 
 この文面を見ると素堂と芭蕉の立場が理解できる内容となっている。
 
天和元年(1681)
七月二四日、東下中の大垣俳人谷木因らと連句の合を催す
 〔素堂宅訪問の打ち合わせ〕
 
御手紙忝く拝見致し候。昨日終日、
御草臥れなさるべく候。
されども御句殊の外出来(しゅったい)候ひて、
拙者に於いて大慶に存じ候。
それに就き「香箸」の五文字、
いかにも御尤もに存ぜられ候間、
かれ枝と御直し成さるべく候。
愚句も「烏の句」「猿の句」、
皆しそこなひ、残念に存じ候。
「寝に行く蝿の鳥つるらん」
といふ句にて御坐有るべきを、
急なる席故矢ごろをはやくはなち、
面目もなき仕合はせにて御座候。
且つ又今日の儀、天気此分に御座候へば、
  亭主(素堂)宿に居ぬ事御座あるべく候。
 幸ひに御座候間、大方の天気に御座候はば、
御同道申すべく候。
天気あしく御座候はば自宅にて語り申すべく候間、
必ず必ず昼間より御入来待ち奉り候。
されども拙者、夜前は大きに持病指発(さしおこ)
昨昼の気のつかれ、夜中ふせり申さず候間、
昼間迄安め申すべく候間、
かならず広間より御出で成さるべく候。
いづれの道にも御逗留もすくなく候へば、
しばしづつなり共御意を得度く候。以上。
 
右と同じ頃、素堂・木因と三物あり。
 これを清書して木困に与えるに際して書簡(日付欠)
 
今朝は御意(素堂の)を得、珍重、
今少々に罷り成り、扨々(さてさて)御残り多く存じ奉り候。
且つ又第三致し候。
河豚ノ子とありて秋めかしく候故、秋季■■置き候。
むつかしく思し召し候はば、
御かへし成さるべく候。
五文字、「蛤」とも「こちのこ」にも■候へ共、
清書の致し様あしく候はば、是又仰せ聞けらるべく候。
一、『七百五十韵』、爰元にはや御坐無く候。
其元より京へ仰せ遣はさるべく候。
明日御暇に御坐候はば、朝の内にも御入来成さるべく候。
此度返す返す御残り多く、尽し難く候。以上
 
   木因大雅のおとづれを得て
  秋訪はばよ詞はなくて江戸の隠  素堂
   (はぜ)釣りのに筆をさす       
   (こち)の子は酒乞ひ蟹は月を見て     芭蕉
 
〔注記〕文面では「鯒」が「魚角」になっている。

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