素堂と滋賀《石山寺》
○滋賀県大津市石山、真言宗東寺派で聖武天皇の勅願で良弁僧都の開基。瀬
田川の右岸に在り、眺望もよく月の名所で近江八景の一つ、背後の山の千頭岳は紅葉の名所。陰暦十月甲子の日に参詣することを石山詣と云う。
石山寺へもミぢ見にまかりし頃
雲半岩をのこしてもみぢけり (元禄十一年の作)
石山寺のふもとに蛍見にまかれるころ
水てりてうなぎの穴も蛍哉
粟津野やこのまの星を打蛍
ふくる夜は簾も蚊やも蛍哉
あくるあしたあるじの手より蛍をうすぎぬに包て送りけるに
後朝にきぬ引かつぐ蛍かな 素堂 〔真蹟懐紙〕
石山寺の開帳の頃詣侍りて (年代不詳)
夕だつや石山寺の銭のおと