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胃が無くても生きられる

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胃が無くても生きられる
 佐伯誠一氏著『不思議いっぱい科学の本』おもしろ科学なるほど200話より
 
 食べすぎて胃が痛いときは、薬を飲めばたいてい治る。ところが胃潰瘍や胃癌などのときは薬で治らない場合が多い。そんなとき、外科手術で胃の悪い部分を切り取り、つなぎ合わせる。
 胃を切り取るときは全部とってしまわないで、三分の一ぐらいよい所を残すこともあるが、全部とってしまうこともある。それでも人間は生きていける。
 胃は、食物を胃液と混ぜ合わせて蛋白質を分解したり、食物を溜めて、腸へ少しずつ送り出す働きをしている。胃には一般に吸収作用はなく、食べたものは腸で消化吸収されるのである。
 胃を全部切り取っても腸が胃の代わりに働いて食物をかゆ状にする。しかし、完全な代わりはしないから、消化のよい物を、よく噛んで食べなくてはならない。また、胃がないと食物を溜めておく所がなくなるので、一度にたくさん食べられない。食事は少量ずつ、回数をふやしてとらなくてはならない。

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