私は努めて社員の長所を見て短所は見ないように心がけております
松下幸之助
『人を動かす 名言・逸話 大集成』監修鈴木健二氏・篠沢秀夫氏
リーダーには部下の長所と短所、両方ともがよく見えている。個々の人材を生かすには短所を改めさせるよりも長所を伸ばすほうが、組織が活性化してずっとよい。部下の拉所よりも短所を言いつのるような者はリーダーとして不過当なのである。松下幸之助のこのやり方はすでに江戸時代、儒学者・荻生徂徠(おぎゅうそらい)が説いている。「人材には必ず一癖あるものなり。器材なるがゆえなり。その癖をも捨つべからず」と。人材というものは、長所が大きいぶんだけ、短所が特異な形であらわれる。部下の能力を見抜いて、長所を生かすべきである。