北村季吟、芭蕉・素堂・信徳の俳諧に批点
延宝時代
長刀さすかよせいなおとり場に 信徳
露にやおちん髭の黥(スミヌリ)
婿を祝ひかけよまかせて桶の水 素堂
霞む風呂下帯絣(ムスフナリ) 秋風
白(シロ)花ハ ウヅマク室(ムロ)ノ湊 秋風
黒木 ツキツキ 都(ミヤコ)ヲゝシ 秋風
覆(ケタ)脊(ツケ)苦(クルシム)痩(ヤセ)馬(ウマヲ)素堂
丸(マロ)身(カミ)類(ルイス)裸(ハタカ)蝗(ムシニ)素堂
絶す数寄て喰いけ栗のいけるうち 桃青
縁につかしの末も亭(トテレリ) 桃青
のりすます玉のこゝもとほひとけて 桃青
珍重々々
色好む殿の音曲箏 桃青
五十點之内 長七
季吟 花押
随斎成美、旧蔵。文化元年、松窓乙二へ贈与。長野中村貫一氏所蔵。