菊九章 その二
素堂亭に人々菊見られけるに
かくれ家やよめ菜の中に交る菊
元禄十三年(1700)素堂五十九歳
嵐雪を悼む辭 (宝永四年・1707 嵐雪歿)
嵐雪子は芭蕉の翁とひとしく、予が市中に住しころより逢なれて、凡みそちあまりの舊知音也。(中略)洛陽に遊ひしころ、大津四の宮にて、本間佐兵衛丹野事勧進能の沙汰を聞きまかりけるに、嵐子も彼浦にありて、山本氏の別業にて、両三日相か たらひ、それより高観音にうそふき、からさきにさまよひ、八町の札の辻にてたもとをわかちしより 面会せず。云々 (素堂家集より)