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Channel: 北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
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松平定信・曲淵景露  蜑の焼藻の記(森山孝盛)

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松平定信・曲淵景露  蜑の焼藻の記(森山孝盛)

 寛政三年五月、(定信が)御目付になりて、其年のことになりけり。曲淵景露朝臣(出羽守・初勝次郎、于レ時御目付)御作事奉行になりて、西丸吹上御門の升形の塀を修造するに、其比は定信朝臣の計ひにて、御城郭といへ共、故なき堀圍なんどは廃し捨られ、又は御模様替とて、昔より板塀なりしを、此度は損益を考へて、練塀に作りかへて、長き所も直に短くして、無レ害は改め作られて、専に費用を省かるゝことになりにしに彼吹上御門の升形の時(俗に高石垣とて、外桜田御門よりは高くそびへて見ゆる肝要な塀なり)練塀にすべき由沙汰あるにより、定信朝臣に逢てかゝる事承り候ひぬ。彼所は御郭外より見付第一の所と云、彼所は御城外より塀は元来矢狭間筒狭間を切候こと勿論に候得共、御治世の御在城左迄には不レ及ゆへか、御外郭の塀何処にも狭間の事に見当たり候はね共、既に筋違浅草両御門の升形には、于レ今隠し狭間を切て候なり。云々

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