素堂・芭蕉・其角の三幅一対の真蹟画賛。
右 笙 其角 けしからぬ桐の落葉や笙の声
中 琴 芭蕉 散花や鳥も驚く琴の塵
左 太鼓 素堂 青海や太鼓ゆるみて春の声
(一部、文面と違い位置が移動している)
(右、芭蕉 中、素堂 左其角)
粛山子のもとめ、画は探雪なり。琴ト笙ト太鼓ト賛のぞまれしに
散花や鳥も驚く琴の塵 芭蕉
みてひとつあそばして山の鳥も驚かし給へ(『末若葉』所収)
松山藩家老、久松粛山子(其角の弟子)の需めに応じて、狩野探雪の描く、笙琴・太鼓の絵に加えた賛で、この一幅は小林一茶が寛政七年(1795)の九州旅行の際に四国の松山で見る。
★『寛政日記』一茶
魚文かたに、素堂、芭蕉翁、其角の三幅對のあれば、訪ふて拜す。
正風の三尊見たり梅の宿 一茶