☆素堂と京都《鳴滝・嵯峨》
○右京区鳴滝、嵯峨・広沢池の北方山間にある。往時は鳴滝川の総称であったが景勝の地で、山荘などが造られた。川は双ケ丘の西を流れて酉ノ庄付近で桂川に流人する。現在は御室川と云う。
戊寅の秋洛陽に遊び、一日なる瀧に茸狩して帰りぬ。
其片袖は都の主人にあたへ、其片袖は大津の浦の一隠士安世のかたへ、
此三唱を添て送ならし
茸狩や見付ぬさきのおもしろさ
松茸やひとつ見付て闇の厘
袖の香やきのふつかひし松の露 素堂 (真蹟色紙)
【注記】「橋南」の前書きでは「両袖にいだきて」が入っている。