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Channel: 北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
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酒言葉 酒は文化と共に進歩する、

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酒言葉 酒は文化と共に進歩する、
 東堀一郎氏著『話のタネになる本』昭和49年刊 光文書院 一部加筆
 
すぐれた文化を持つ国民には必ずすぐれた酒があるはずです。日本酒は、醸酵した液をそのまま飲むという種類の洒として、中国の老酒、ヨーロッパのビールと共に世界の三名酒の一つに数えられています。
 その日本酒の味はまことに複雑で、その味や風味を表現するのに、独得の酒言草のあることはよく知られています。それにはまず甘口と辛口があります。甘口は糖分が多く、辛口は酸が多いのですが、酸をともなわない甘口も糖の下地のない辛口もともに良い酒とはいえません。しかしこの甘口、辛口は時代によって好みがちがい、明治時代の甘口も今日ではひどい辛口に感じるかもしれない。
「太平の世には甘口、乱世には辛口の酒がはやる」
といわれるのも、辛口は少量で満足できるので乱世向きということでしょうか。
 甘、辛についでは「ごくみ」とか「こくがある」「にくがある」「ふくらみ」「はばがある」という表現があります。これはエキス分のうまみで、味
わった人の主観によって言い方がちがいます。このうまみと反対のいや味に
は「くどい」「さばけがわるい」「雑味がある」などという表現があります。
また貯蔵中の樽などで加わった風味には「まるみ」という表現も用いる。

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