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Channel: 北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
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山梨と作家 太宰治

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山梨と作家
甲府を知り尽くし、最も愛した作家といえば太宰治ではなかろうか。
 昭和十三年(1938)の初秋、彼は富士山が美しく見える御坂峠の天下茶屋で執筆中の井伏鱒二を頼って初めて山梨の地を踏んだ。翌年十四年には鱒二の紹介と仲人で多くの書物に富士山や各名勝地の地質を初めとして紹介していた石原初太郎氏の娘美知子さんと結婚する。美知子さんは後に津島を名乗る。甲府市御崎町に新居を構え、短い期間では
あったが、ゆとりのある日々を送った。
 結婚前に甲府で書いた『富嶽百景』、
婚約中の『九月十月十一月』
そして結婚してからの『新樹の言葉』
などには、いたるどこうに富士北麓や甲府のことが書かれていて、新鮮さが溢れている。
  また娘の津島裕子さんも太宰が甲府と密接な関係を持ったこともあって、彼女の『私のなかの甲州』の中には、
 私の母親は甲府市内の水門町で育っている。(中略)祖父(初太郎氏)は古くからの甲州の名主の家柄で、中学の校長を勤めながら地質学の研究も続けていた。と書かれている。
太宰の書『新樹の言葉』の中の「甲府はきれいに文化のしみとおっている町である」と紹介している。
 また太宰以前にも甲府や甲州街道添いには芭蕉をはじめ多くの墨客文人の足跡を残している。


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